世田谷九品仏浄真寺の「お面かぶり」2017

 
 

 東急大井町線の駅名にもなっている世田谷区の名刹九品仏は、正式名称「九品山唯在念仏院浄真寺」といい、寛文5年(1665年)、廃城となっていた旧奥沢城址珂碩上人を開山として創立された浄土宗のお寺で、東側に釈迦如来を安置する本堂、西側に上品・中品・下品(「ひん」でなく「ぼん」と読みます)3つの阿弥陀堂が並び、それぞれのお堂に(上生・中生・下生)3体、計9体の阿弥陀仏、つまり九品仏を祭る堂々たる寺院です
 このお寺に伝わる由緒ある仏教行事が、遠く文政10年(1827年)に起源を遡る二十五菩薩来迎会(通称お面かぶり)で、3年毎に開かれており、昭和38年に東京都の無形民俗文化財に指定されています、前回2014年まではお盆の8月16日でしたが、昨近の猛暑に顧み今年から5月5日(午前11時と午後4時の2回)に変更されました、休日とあって立錐の余地もない程の賑わいでした
 東側の本堂を現世(娑婆)に見立てて、三仏堂(その中央の上品堂)を浄土として、これを結ぶ橋(白道:上の写真)を阿弥陀如来が二十五菩薩を従えて浄土から臨終の信徒を迎えに来られ(来迎:表紙のアップ写真上が先導に続く阿弥陀如来と観音菩薩以下の行列、下が行列途中)、信徒と開山砢碵上人の厨子、導師達、稚児さん達を従えて極楽へ導き(往相)、極楽で力を得させて、再び現世へ他の衆生を救うために戻る(還相)、都合一往復半の来迎会です  

 先ず新緑の境内、開始前の光景を並べます
 上段左が本堂内、右が本堂から上品堂への白道、中段左右が白道、中央が上品堂横から、下段が上品堂内部です、これから阿弥陀様と菩薩様に扮する檀信徒がかぶるお面と後背が並んでいます

   
     
   

 続いて表紙と同じ、上品堂から本堂に(つまり浄土から現世に向かわれる)来迎風景で、上段左が先頭の雅楽隊(芝増上寺)、同右以下が先導に続く阿弥陀如来以下二十五菩薩の行列で、最後最下段右錫杖を衝いておられるのがすべての人を救う地蔵菩薩です

   
   
   

 その次は往相で、また雅楽隊を先頭に阿弥陀様と菩薩様が第2段まで続き、その後に散華をする導師方(第3段左)、珂碩上人の厨子(同右)、赤い日笠を差し掛けられた現ご住職(最下段左)、お母さんのままならぬ稚児さん(同右)と続きます

   
   
   
   

 そして締め括りが還相です、上段右のお稚児さん親子も、お面を外した菩薩様方の役者(第3段左右)も大役を終えリラックスしています、最下段左ご住職が観衆にお念仏十偏を先導し、最後本堂に戻られ無事お会式の終了です(同右)

   
   
   
   

 ネットの間違った情報で1時間早く行ったお陰でいい場所を確保し、写真が撮れました、思えば前回の見学は昭和53年で、39年振りのご会式参拝でした

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