茅ヶ崎・高座丘陵の地層を訪ねて

 茅ヶ崎市在住の友人から、市の北部、山の辺りに富士山や箱根火山噴火の跡などが判る地層の重なりが露出しているところがあると聞き、ネットで色々検索したが、ピンポイントで場所が判りません。友人が「建彦神社」といっていたのを思い出し、ともかく行ってみたところ確かにそれらしき崖はあるのですが、何の説明版もなく、予想していたようなはっきりしたレイヤーにもなっていないので半信半疑です。
 そこでネットのどこかで茅ヶ崎里山公園でも見られると書いてあったのを頼りにまず勝手知ったる里山公園で探し、どんなイメージなのか勉強することにしました。公園案内図にも記載なく、道標もないので非常に見付け難いのですが、事務所の人に教えて貰って下のマップ中央芹沢の池の西側(下図では上)*印にあるのを漸く見つけました

 

 下の写真上段左がその一角で、小さな案内版が立っていますが、字が薄くなって写真には写らないので右に書き直しました。下2枚が問題の崖のアップですが、やはり当初予想した様なレイヤーがはっきりした地層にはなっていませんので、建彦神社のもそれだなと納得です

 

柳谷の地層

箱根火山と富士火山の噴火の歴史

 この崖は、高座丘陵の形成に貴重な動きをした箱根火山と富士火山の歴史の一部を読みとることができる。

 崖の下部に見られる幅40cm~50cmの黄白色の層は、「東京軽石層」と呼び箱根火山最後の大噴火で噴出した軽石が堆積したものである。また東京軽石層の最上部には幅5~10cm程の暗紫色の層が見られる。これは噴出直後に、箱根火山より流下した火砕流と思われる。さらにその上には、黄白色の軽石が点在しており、その上面が大きく波打っている。この部分は堆積後に発生した泥流堆積物と思われる。この箱根火山の大噴火は、約6万年前に発生したとされている。

 褐色の部分は、富士火山の噴出物が堆積したものである。富士火山噴出物の特色である黒色~赤色をした豆粒大の火山噴出物が散在している。約8万年前に始まった富士火山の活動は1707年の宝永噴火を最後に休止している。(第四紀学会会員 鈴木進)

                                                                   柳谷の自然に学ぶ会

 
   

 以下当日歩いて探査したコースに沿って名所をご紹介します。
 先ず相模線香川駅を出て、駅前の道を右(北)へ線路沿いに歩き、すぐ踏切を渡って引き続き道なりに北上、右手に茅ヶ崎地ビール熊沢酒造の工場が見えたらその手前に右折します。下3枚熊沢酒造の入口とその裏にあるビアレストラン湘南麦酒蔵・MOKICHIカフェです、鄙稀といっては地元の人に叱られましょうが、洒落た雰囲気で若い男女で賑わっていました

     

 熊沢酒造を過ぎてスリーハンドレッドゴルフ場に突き当たるまでひたすらまっすぐ、突き当たったら左折して暫く北上、駒寄川の遊歩道(下左)を右折、行きどまり(中)をやや戻る感じで右折すると浄見寺の裏口(右)、民俗資料館への道に出ます

     

 大岡越前守御一族の菩提寺である浄土宗浄見寺は手入れの行き届いたお庭の綺麗な立派なお寺です。下8枚の写真、上段が裏口から入ってお庭、第2段左が本堂正面、同右が大岡家墓所への登り口、第3段が大岡家墓所(お布施を納めてご供養をお願いしないと入れませんので囲いの外からの写真です)、最下段が表門とその手前にある旧和田家古民家の民俗資料館(右)です

   
   
   
   

 お寺、古民家を背にしてともかく行かれる小道を左(北)へとって堤坂下から北稜高校へ行く車の道に出れば、下の写真上段左の建彦神社への看板が見えますのでここを入り、暗い坂道を登って行くとやがて上段右の鳥居、第2段左右の本殿です。参拝したら本殿左へ出て、左へ下りると元の道にでますが、その途中に崖の露頭があります。第3,4段の写真は一度坂の下まで降りて登り直し下から順番に並べています。これが本当に里山公園の同じ地層の露出なのかどうか確証はありませんが、どうもそのような気がします

   
   
   
   

 神社を出て逆に右へ登って行くとやがて県道藤澤平塚線に出、正面谷越に茅ヶ崎新北稜病院が見えます。県道を右に行けばすぐ文教大学入口、さらに進めば芹沢入口で左の広い並木道に入れば冒頭の里山公園正面入口ですが、下左の写真に見える崖につられて県道を左にとり、病院に向かって谷を下り、一周して文教大学前をまた登って見ました。残念ながら写真の竹やぶの下の崖には行き当たりませんでしたが別な崖があったので近くまで登って撮りました(右)

   

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