史跡相模国分寺跡(海老名)とその周辺の歴史散歩
日本全国八十余州で相模の国だけは国府の位置が確定しておらず、3説あります。多分時代によって変わったのだろうと言われていますが、相模国分寺のあった今の海老名周辺がその一つであることは確かです。何度も近くには行っているのですが、今回初めてこの周辺を北に向かって座間方面へ、今の高野山真言宗の国分寺、相模国分寺跡、伊勢山大神宮、国分尼寺跡、弥生神社、龍峰寺、常泉院、秋葉古墳群と集中的に歩いて見ました。JR相模線・小田急・相鉄3線の海老名駅南口からスタートし、ヴィナウォークの塔の復元模型(最上段左右)を見てから、ここを左折、すぐ右折してJAを左に見る交差点を直進して細い道を道なりに登り進み、出た先のバス道を右に行くとすぐ第2段左の大ケヤキ、ここを入ると今の国分寺(高野山真言宗、第2段右から下5枚)、1292年に昔の国分寺が焼失した後その法灯を引き継いだ旧薬師堂、国指定重文の梵鐘はその時、海老名氏の一族国分季頼が鎌倉円覚寺の国宝の鐘を作った名工物部國光に作らせて寄進したものです
国分寺を出てもとの大ケヤキのところに戻り右に進むと相模国分寺跡の南西の隅です、駅から直接行けば徒歩10分足らずの小高い丘の上にあります。下4枚は国分バス停のある南東隅から入る写真です
次の4枚が南側回廊とその中程にある中門の跡です。上段右の写真の右手奥の段が僧房跡、下段左が回廊東側からの境内全景で左手中ほどに見える段が塔跡、下段右が回廊西側から振り返る東方面、奥の段が先ほど入って来た南東隅です
下6枚上段左右が塔跡、中段左右が僧房跡、下段左右がもと海老名村役場庁舎だった海老名温故館ですが、残念ながら、コロナで休館中でした。ここに講堂の復元模型があるそうです
海老名駅から上がってくる車道を挟んで北側にも遺構があります。全体にまだ整備途中の広い芝生広場なので市民の憩いの場、家族連れが大勢遊んでいました(写真では出来るだけ外しています)
コースから外れますが、すぐ東側にある伊勢山大神宮(上中段)と伊勢山公園(下段)に寄り道した写真6枚並べます。もともとは全体が神宮の敷地で伊勢山と呼ばれていたのが、時代と共に開発が進み神宮も危機に瀕したのが、有志の手によって再建されたとのことで、金網フェンスで厳重に区切られているのも何か複雑な歴史がある様にも見られました。なおこの公園の東口から下りるとこのトピックスのメニュウにある目久尻川の目久尻橋近くへ出ます(目久尻川中下流のページへのリンク)
国分寺跡の北東隅を出てバス通りを北上すると500m程で国分尼寺跡です(下3枚)。ここは発掘調査は済んだ様ですが、整備はまだで、金堂跡に建つお社は庚申堂です
元のバス通りへ戻り、北上を続けると間もなく小田急線踏切のすぐ手前弥生神社前のバス停、ここで右手の参道から階段を上り弥生神社へお参りします(下4枚)、明治42年にこのあたりの国分、上今泉、柏ヶ谷、望地の4か村の神社を合祀し、この景色の良い高台に創建したお宮、下段左振り返ると海老名の市街地越しに丹沢がくっきり見えます
本殿右奥の階段を登って境内を出ると高台の一番上にある龍峰寺(清水寺公園)です。下10枚南端の公園入口(最上段左)から北へ、仁王門(最上段右と第2段左)、右脇の冠木門、鐘楼(第3段左)、十三重塔(同右)、左右の講堂(第4段左右)と旧観音堂の仏殿(最下段左右)と整った臨済宗建長寺派の名刹で、源氏の笹リンドウと北条の三つ鱗が寺紋です。源頼朝が国分寺を修復した折、国分尼寺の隣で荒廃していたお寺を再建し清水寺(せいすいじ)と名づけた。1699年にこの地に移され、1737年に再建された折出来た観音堂が上段右の仏殿です。明治の廃仏毀釈で廃寺になった後別のところにあった龍峰寺がここに移って再興したそうです
境内の北の端から出て細い道をさらに北へ進み、国道246号を高架歩道橋で渡り(下7枚上段左)、そのままさらに北上するとと金龍山常泉院、天文年間(16世紀半ば)荒寺を曹洞宗で再興した、七沢広沢寺(当HPの東丹沢ハイキングの写真にもあります)の末寺、奥行きのある手入れの良く行き届いたお寺です
山門出て元の道へ戻り東(来た方から見て右)へ信号まで行って左折、北へ斜面を登って、秋葉山古墳群へ向かいます
下6枚、上段左右が古墳群入口、中段左が1号墳、同右が2号墳、下段左が3号墳、同右が3号墳を北へ出たところです
上の写真下段右の道を渡ると左手が上今泉自然公園(下4枚上段左)、ここを抜けてさらに北上すると上今泉配水池(同右)に突き当たります。これを左側から迂回して人家の隙間から丹沢方面のパノラマを楽しみ(下段左)、北上続けて上今泉秋葉台自然公園を抜けます(同右)
なおも北へ進むと金比羅神社(下4枚上段左右)で、左手神社の階段前を通り過ぎて下って行くと小田急の線路に出て座間駅ですが、上段右の分岐を右にとって2ブロック程東へ進み、北(左)方向に長い直線道路(都市計画道路、下段左)が見えたらそれに入り真っ直ぐ北上すると座間谷戸山公園の南口ログハウス(下段右)に突き当たります。同公園でバードウォッチングなど楽しんで東口へ抜け、相武台前駅で上がるのがお勧め、約12km、ゆっくり見物しながら4時間程度、適度にアップダウンもあり手頃な歴史散歩です
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